迷惑メールにはほとんどの場合本文中にWebサイトへのリンクが記載されています。
これは、迷惑メールの送信目的達成の為の第二段階にあたります。(第一段階はメールの開封)
本文に記載されたリンクを安易にクリックするのは非常に危険なのは、第二段階で既に目的の達成(金銭の詐取)が可能になる場合が多いからです。
迷惑メールの本文には、サイトに誘導させるために様々な方法でリンクが設定してあります。
特にHTMLで書かれた迷惑メールは、一般に公開されているホームページと同様に HTML言語の「タグ」を使って自由にリンクを本文に埋め込む事が可能になるので充分注意する必要があります。
以下は、HTMLの迷惑メールで多く使われているリンク手法を再現したものです。文字列で表記されたリンクでも、HTMLで記述すれば見た目と全く違ったリンク設定が可能になる事が確認できると思います。
単純なURL表記であっても、実際には表記と異なるサイトへのリンクであったり、トラップが設定されている事例が数多く存在するので、迷惑メールに記載されているリンクを安易にクリックするのは絶対にやめましょう。
1.表記のURLと実際のリンク
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右は、表記のURLと実際のリンク先が全く違う例です。URLは画像ではなく、テキストで記述しています。 表記されているURLは、当サイトのURLですが、実際にクリックすると検索サイトの Yahoo! JAPAN にジャンプします。 |
リンクに設定されている実際のURLは、ブラウザ下のステータス行に表示されます。
特別な理由が無い限り、一般のホームページでは閲覧者の混乱を招くだけなので、こうした設定をする事はまず有りません。が、悪用すれば意図的にまったく関係のないサイトにジャンプさせる事も出来てしまいます。
2.スクリプトが設定されたリンク
次の例はリンク先のページにスクリプトを埋め込み、クリックすると設定したスクリプトが実行される例です。 設定してあるスクリプトは、現在使用しているOSとWebブラウザの種類、バージョン情報を表示するだけの単純なJavaスクリプトです。 |
リンク先サイトでリンクと連動したスクリプトを設定、使用する事は利便性を高める為に多くのホームページで使われている手法です。実際、このサイトでも『迷惑メール検索』にはPHPスクリプトを多用しています。
注意しなければならないのは、迷惑メールのリンクに受信者情報などを引数にした情報が埋め込まれている場合です。
IPアドレスやメールアドレスだけで個人を特定する事は出来ませんが、ワンクリック詐欺サイトなどはスクリプトを悪用してリンク先のページに個人を特定したかのようなメッセージを表示し、閲覧者に脅迫まがいの不正請求メールを送りつけて来ます。
リンクと連動したスクリプトをリンク先サイトで設定した場合は、リンクをクリックしない限りスクリプトは実行されません。
迷惑メールのリンクを安易にクリックしないように注意を呼びかけるのは、悪意のあるトラップリンクが設定されているケースが多いからです。
メールソフトのセキュリティ・ホールを狙い、メールをプレビュー・開封しただけで実行されるスクリプトも存在するので迷惑メールは、プレビュー・開封しないようにするのが安全です。
3.ステルス・リンク
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右の部分にはワザと見えないように、先の2例と同じURLを記述して有ります。 中央でマウスカーソールが変化する辺りをクリックして下さい。リンク先はこのページの先頭へ移動するように設定してあります。 ※ブラウザによってはアンダーラインのみが表示されます。 |
上の例は、HTMLのCSSを使って文字の色を「ホワイト」に設定しただけです。
今回は、文字列にリンクを設定しましたが、白い画像や透明画像を置いてリンクを設定する事も可能です。こうしたステルスリンクは、左ボタンをクリックしたまま本文をなぞると、文字や画像の要素が反転表示されるので簡単に見破る事ができる筈です。
上記の例の様にHTML形式のメールには、色々と細工したリンクを埋め込む事が可能になります。(上記すべての手法を組み合わせる事も可能です。)誤ってリンクをクリックしない為にも、HTML形式のまま迷惑メールを表示しない事が重要です。
サイトを閲覧しただけでは、「問題ないんじゃない?」と思われそうですが、Webサーバーにはサイトにアクセスした記録(アクセスログ)がしっかりと残ります。アクセスログには、サイトにアクセスしたコンピューターのIPアドレス、アクセス日時、ブラウザの種類などが記録されます。迷惑メールの送信者は、常にアクセスログを収集・分析して迷惑メールを送信し続けています。下図は迷惑メールの悪循環の例を図にしたものです。

司法機関でもなければ、IPアドレスだけで個人の住所や氏名、電話番号などを特定することは出来ませんが、利用しているプロバイダと都道府県ぐらいまでの特定は個人レベルでも可能です。
送信者が特定のプロバイダに日時を決めて迷惑メールを送信し、サイトを閲覧したIPアドレスと照合すれば、送信効果(?)が簡単に推測できてしまいます。リンク先のサイトからCookieをパソコンにセットされると、サイトを閲覧した回数や同一人物であるかどうかのチェックまでも可能になります。
下の画面は、迷惑メール内のリンクをクリックして、サイトを参照した際にセットされたCookieです。
名前から推測すると、PHPスクリプトと連携したセッションIDと思われます。
(使用ブラウザ:Firefox 2.0)

こうした事からも、不用意にリンク先サイトにアクセスして、迷惑メールの送信者に余計な情報を与える(受ける)事は避けるべきです。
悪質な迷惑メールは、リンクにトラップ(特殊な設定)が仕掛けられ、メールの受信者とサイトを閲覧した人物を照合可能になっています。